住宅設備のひとつである換気扇は、室内の空気環境を守る役目があります。
お部屋の空気の入れ替えや台所でのガスを安全に使用するためにも、非常に重要な設備であると言えます。
動かない、回らないといった換気扇のトラブルが起きてしまった場合には、自身での修理が難しいため業者に依頼しなければなりません。なるべくそのようなトラブルが起こらないように気をつけることにはあるのでしょうか。
換気扇は、使用頻度が高いことから丈夫につくられており、買い換え頻度が少ない傾向にあります。
しかし、使用状況にもよりますが、長く使用していると徐々に喚起力が低下していきます。
空気の流れは目には見えませんので、換気扇がどのような状態であるかはわかりにくいのです。
もしも何か普段とは違う症状がある場合には、換気性能が低下しているサインかもしれません。
換気扇では、内部のモーターとそれを受けるベアリングにより羽が回転させられますが、年数が経過するとモーターとの摩擦が大きくなったり、周囲に擦れたりするなどの理由で異常音が発生します。
上記の異常音と同様に、ベアリングがぶれるなどの理由から羽の回転のバランスが崩れ、
換気扇全体がガタガタと振動します。
換気扇を使用していなくても換気扇本体から臭いがするという場合には、換気扇に油汚れなどがかなり付着してしまっている状態です。
モーター周辺が焼き付いてしまっていると、回転中に焦げ臭い匂いが発生し、目に痛みなどを感じることがあります。
換気扇の異常サインとして一番出やすい症状である異常音ですが、浴室やトイレダクトなどの集中換気型の換気扇であったり、換気扇が防音構造であったりする場合には異常音や異臭が削減されて、トラブルを察知しにくいことがあります。
特に浴室では、カビ対策として換気扇を使っていたのにも関わらず、カビが大量発生して初めて換気扇の異常に気付くことがありますので、日頃から注意しておくことが非常に大切です。
季節的な要因も換気扇トラブルと関係しています。
季節や天候など環境によって起こりやすい不調を知っておきましょう。
梅雨は湿度が特に高くなる季節。
そのため、換気扇を一日中つけっぱなしにしているというお宅もあるかと思われます。
湿気を吸い込んだ換気扇は、内部にホコリを付着させやすい状態になります。
長く稼働することでさらに換気扇が汚れやすくなる時期です。
また、盛夏は非常に室温が高くなります。
その中で換気扇を回していると排気熱により内部が高温になりがちです。
夜になってもなかなか室温が下がらない場合は、熱による故障の可能性が考えられます。
真冬になると、今度は外気温との差により室内に結露が発生しやすくなります。
結露は、換気扇のプラグに溜まったホコリに水分を与え、トラッキング現象の原因になります。
トラッキング現象により配線がショートを起こすと、換気扇が作動しなくなる恐れがあります。
こまめな確認は電気による火災防止のためにも必要です。
換気扇が突然故障してしまうというトラブルを防ぐために、その前ぶれとなるサインを見逃さないことが大切ですその一つの方法として定期点検が有効です。点検方法の内容についてご紹介いたします。
見た目でまず汚れがどれくらい付着しているかを見ます。
見た目だけでは、内部のファンがどれくらい汚れているかはなかなか分からないため、分解して確認します。また羽などに変色がないかも確認します。
作動中に発生した回転音の異常や金属音などを基準にして、正常に作動しているかどうかを判断します。
換気扇の心臓部であるモーターに必要以上の負荷がかかっていると、過熱の原因となります。
安全に注意して熱の発生を確認します。
通常使用している範囲の振動なのか、異常のある振動なのか判断します。
通気口の空気を吸気する強さを調べます。必要換気量が満たされているか確認します。
普段正常に動いていると感じている時は、きっかけがなければ換気扇の定期点検やメンテナンスを受けようという気にはならないという方も多いでしょう。そんな方にでもおすすめできる点検のタイミングについて紹介します。
住宅を建てた、もしくはリフォームを行ってから年数が経ち、屋根や外壁などの全体を調査する住宅診断の際に、換気扇の点検も行いましょう。
不具合が見つかった場合には、他の修理が必要な部分と一緒に修理や交換が行うことが可能になります。
子供の誕生や親世代との同居など、新しいご家族を迎える際には、水回りなどの設備やハウスクリーニングを利用するなどの準備があるかと思います。
換気扇のクリーニングと同時に点検を依頼すれば、時間短縮や費用節約にもなります。
換気扇のトラブルが起きた場合、修理には電気工事も関係するため簡単に行えるものではありません。突然動かなくなるという事態を避けるためにも、定期点検により未然にトラブルを防ぎましょう。定期点検を依頼した場合には、普段のお手入れ方法について、換気扇業者に聞いてみるのも良いでしょう。
定期点検には費用がかかりますが、長い目で見れば換気扇の寿命を伸ばすことになり、修理や交換となるよりも費用を削減することができるのです。